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片面パイルタオルとは|泉州タオル・くまさんのタオル

片面パイルタオルとは

初めに構造からご説明させていただきます。

通常のパイルタオルは、地の生地部分を中央として、上下にパイルが5:5の割合で出ています。

パイルというのは、地の部分となる生地に8の字を書いていくように織り込まれています。
ですから、使用感も表面でも裏面でも風合いが同じに感じられます。

 

         

 

一方、片面パイルは、表面(プリント面)と裏面のパイルの割合が0・10になっています。

厳密に言うと、中央の生地に対して8の字を書いて絡めてあるので、表面にもパイルはあるのですが、

裏側に思い切り引っ張っている状態になっているのです。
それで、見た目も触り心地も生地・木綿・ガーゼみたいに感じるのです。

 

         

 

片面パイルの特徴

 

このパイルの無い側の面(プリント面)は、ほとんど凹凸が無いように仕上がりますので、柄がハッキリ・くっきりとプリントできます。

タオルの組織としては、最高にプリントと相性が良いのです。

 

通常、片面パイルタオルの目方は軽めに設計しますので、薄手のタオルとなります。

厚手のタオル(目方を増やす)にするためには、地のタオルの目を詰めて、パイル長も長くする必要があります。

目を詰めていくと、生地としては丈夫になり、硬くなる方向に進みます。

パイル長は、長くなればなるほど風合いがでます。

片面パイルタオルの場合、パイルは片側だけに付くので、その長さには限度があります。

例えば、通常のパイルの長さが1cmだとすると、地のタオルに対して上下に5mmずつパイルが付きます。

織機にもよりますが、片面だけに1cmというのは、長すぎて織れないということになります。

(※1cmと言うのは仮定です。実際の限界値ではありません。)

また、長すぎると実際に使う際に8の字の面積が広い分、引っかけやすくなります。

 

 

くまさんの大人可愛い❣️片面パイルプリントタオルは、それを踏まえて、現実的にタオルとして1番良い状態を設計しますと、地のタオルを丈夫で且つ柔らかに設定して、パイル長もスッキリ・シャッキリと拭ける短パイルにして、全体の目方を200匁位の薄手のタオルとしてはスタンダードな目方に仕上げております。

 

そうする事で、洗うほどに生地がより柔らかく育っていきます。店頭で空気に晒しておくだけでも、ふんわりと仕上がっていきます。

 

 

タオルの目方について

 

上記の内容で薄手、厚手、目方について触れましたので、もう少しお話ししましょう。

 

タオルは、何となく面積が大きいとたくさん吸って、小さいと吸えない感じがしますが、吸水量は面積とは関係なく目方なのです。

例えば、実際にある商品で申し上げますと、46グラムで34センチ×83センチのフェイスタオルよりも、50グラムで34センチ×34センチの厚手のパイルのミニタオルの方が、若干ではありますが吸水量では上回リます。

 

目方は、原料となる綿糸の重さなので糸量になります。それが重いということは糸量が多いということになって、吸水量も比例して多くなるという訳です。

簡単なお話ですが、あまり考えることがないので、厚みとか面積でとらえてしまいがちですね。

 

目方を理解していると、タオルを適材適所に選べるようになります。

例えば、旅館でいただく入浴用のタオル、俗に言う温泉タオル(34×84cm)は、56グラム位で作ります。

吸水量は少なめです。厚手のミニタオル(34×34cm)なら50グラムのが普通です。

 

しかし、この56グラム位の吸水量がお風呂には良いのです。含む水分が少なめなので、石鹸を塗った時にすぐ泡立ちます。また、その位の石鹸量がちょうどいいのです。

これが厚手の95グラム位のタオルだったらどうでしょう?

タオルで泡立つまでたくさんの石鹸が必要になり、尚且つ濯ぐのも何度もしないと石鹸がとれきれないし、絞るのも大変と言うことになり、良いことがありません。

 

厚手のタオルは、風合いに優れるように作ることが多いので、顔埋めるような用途が最高にいい気持ちです。吸水量も多いのでバスタオル代りに使っている方も沢山いらっしゃいます。

 

このように、同じフェイスタオル(34×84cm位)でも目方によるお勧め用途があります。

 

タオルの目方というのは、設計段階で最初に決めます。

10匁(3グラム強)単位で調整していきます。厚さや目の粗さ、パイル長とのバランスを考えます。

大体の目安がありますのでご紹介しましょう。

🌟フェイスタオルの場合(34×84cm位)

薄手・・・45~68グラム

中厚手・・71~89グラム

厚手・・・95グラム~

 

中々、目方を表記してある商品は少ないし、店員さんも知らないことが多いのですが、実はこの目方はタオル選びには大変重要なので、知識として持っておいてくださいね。

 

 

くまさんの大人可愛い片面パイルプリントタオルへの想い。

 

今回の片面パイルタオルシリーズは、厚手のようなふわふわ感は出せないので、薄手の使い良さ、拭き心地や柔らかさがチョットでも良くなるように企画しました。表面はガーゼのような心地良さを出したいと考えていました。

裏面のパイル部分は、目方が多ければ柔らかくなるというわけではなく、生地の組織とパイル長・量とのバランスが要です。パイルは風合いを良くしますが、ギューギュー詰めになってしまうと、その柔らかさが出なくなってしまうのです。パイル同士に適度な隙間があった方が柔らかさを体感しやすく仕上がります。それで地の目の詰め具合(設計)が非常に大切になってくるのです。

それで、試作を繰り返し、よ〜く吟味して設計しました。更に、今回のフェイスタオルは縦85cmにしました。催事販売の時にお客様より「最近のタオルは短くなった」というお声をよく聞きます。時折、少し長めの商品が入って、大変喜んでいただいておりますので、今回のフェイスタオルに採用させていただきました。

 

 

半面ガーゼタオル

片面パイルタオルによく似たタイプで、半面ガーゼという商品があります。
表面が大概Wガーゼになっていて、裏面にだけパイルを出します。
両者は見栄えは似ておりますが、組織は全く異なります。

半面ガーゼというのは、生地側がダブルガーゼになっています。2枚で1組なので、端(周り)だけを縫合すると袋状になります。そのまま使うと拭く時に手にくっ付いてきて、ズレて使いづらくなりますので、2枚を格子状に縫合します。目の粗い生地を2枚・3枚と重ねていくのがガーゼタオルの構造です。半面ガーゼタオルは、ガーゼタオルとパイルタオルを貼り合わせた様なイメージです。

私もガーゼタオル大好きですが、お値段が跳ね上がってしまうのがネックになります。

一方、半面パイルはオモテ面が生地のままですので、半面ガーゼと比較するとシッカリしたタオルという印象になります。ダブルガーゼと同じだけの柔らかさは構造上でませんが、生地(木綿)は洗濯していく度に柔らかさを増していきますので、使っていくうちに大変いい感じに仕上がっていきます。
(今回のアイテムは、自宅で3回ほど洗濯したところ、かなり良い感じに仕上がってます。)

更に、価格もパイルタオル並みに作れるので、これまた嬉しい www

 

おまけ・タオルの値段について

余談ですが、タオルの値段のつき方にご興味ありませんか? この知識があると、その商品が価格に見合っているかどうか分かるようになりますので、是非読んでみてくださいね。

制作費については、私も色々作って知っていったのですが、なかなか面白いのです。

まずは目方です。目方は糸量ですから、原材料費に関わります。目方(糸量)が多いのは、普通タオルの厚さに現れます。薄手が安価で厚手が高価というのはこのためです。更に厚手のタオルはミスする確率が高いので、メーカーさんによっては、その分の保険分も乗っかっています。(これがB品になります。)

糸の種類も価格に大きく関わります。通常は「一般糸」と呼ばれるものを使用します。こちらも各メーカーさんによって、取引先の紡績屋さんが違うので同じ糸を共有していません。各メーカーさんが吟味して決まっています。

オーガニック綿糸(無農薬・無化学肥料で育てた綿花より採取する綿)や、スーピマコットン(無撚糸タオル)などの長毛の糸は高級糸です。ふわふわのタオルが出来上がりますが価格は上がります。

私が面白いと思ったのは、そんな原材料に対しての価格とは別に、製作にかかる手間代です。メーカーは、1時間で何枚できるか?という計算式なのです。つまり時給計算です。人件費も機械作動時間も変わるので、当たり前と言えば当たり前なのですが、聞いたときは目から鱗というか、「へ〜」と思ったものでした。

具体的には、ガーゼタオルを作るとします。ガーゼタオルは2重・3重〜8重なんていうのもあります。これは1重増えるごとに糸代が増えます。でも、そんな原材料よりも最終的な1枚のタオルを作るための手間に費用がかかります。例えば、普通のタオルを1枚作るとします。工程は1枚作るだけです。次に、2重ガーゼを1枚作るとします。2重なので1枚を2個織って縫い合わせるので、工程が2回になります。そうすると、1時間で出来るタオルは、単純計算だと半分になるわけです。3重・4重となると1/3、1/4になっていくので価格が上がっていくという論理らしいです。

他にも織り方や使う糸が特別だったりする場合、織機に乗せている糸や仕様を変えるのに半日〜1日かかるそうです。オーダー分を織り終わったら、また通常に戻す工程も必要になるので、ますます時間がかかりますね。そんな風に製作費は決まっていくそうです。

そうして、いよいよ元となるタオルが完成したら次は装飾です。染めたりプリントをします。

染めには、染料と顔料という手法があります。簡単にいうと、水に溶けるインクが染料で溶けないインクが顔料です。インクが水に溶ける染料は、タオルの繊維に浸透して色を染めますが、水に溶けない顔料は、タオルの表面に乗っかっている様な状態になります。(油絵みたいな感じです。)そうして出来たタオルは染料の場合だと染める前の風合い・吸水性は保たれていますが、顔料だと硬くなり吸水性も無くなります。しかし、顔料には色柄がハッキリ出るという性質があり、価格も染料より安く済みます。

タオル全体を染める時は染料、プリントは顔料を使用するのはそのためです。(中には顔料で全体のほとんどをデザインの都合で染めちゃっているタオルも、イベント系や、グッズ系では見かけますね。)

以前、プリント柄を染料でやる相談を(顔料の部分は、ほとんど水を吸わないので)したことがあったのですが、とんでもない商品代になるらしく、オーダーする会社が無いので、染め屋さんも取り扱いを止めるようになったそうです。

また、装飾には「染め・プリント」以外にも「刺繍」を施したり、周りに「レース」を配(あしら)ったりするタオルもありますが、それも別途価格に反映していきます。

そんなこんなの組み合わせで制作価格が決まります。最終的に小売値は、問屋を通したり、弊社のように直で作ってもらったり、固定費がどれくらいかかるか、人件費はどうかなど、それぞれの店の状況で販売価格が設定されます。

 

因みに、「くまさんのタオル」のプリントタオルは、全体を染料で染めて、プリント柄に顔料を使いますが、実際に拭く時に使われるタオルの中央部分にはプリントを施さない様にデザインします。そうすることで、使っていただく時は吸水性(機能性)を損なわず、見栄えも良く、色柄も楽しんでいただけると考えています。

私は、仕入れた全てのタオルを使い続けてますし、洗濯を繰り返して、時間をかけて出来上がったタオルを評価します。
次のタオルを制作するための大事な資料になりますからね。
今も構想を温めている商品がいくつかありますので、また順次作っていきたいと思います。

 

今回の片面パイルタオルも設計から大変に満足のいくデキに仕上がっていますので、「薄手」「プリント」というタオルを探している方に大変お勧めできる商品です。

納品されてから、2週間ほど使っておりますが、普通に手拭きに使うのは勿論ですが、キッチンクロス(食器拭き)としてお使いいただくのもお勧めです。乾きやすさと、表の生地感がとっても素敵!色柄がキッチンを可愛く演出してくれるので、お皿拭きが楽しくなりました。

手拭き・顔拭きの時は、2つ折りにしてご使用していただくと表面の柔らかさにビックリするほどです。
200匁(62グラム)の薄手で、これだけのしっかり感と柔らかさは、流石、泉州タオル!と言わざるを得ません。

サイズは、幅34センチ・長さ85センチ・目方62グラム(200匁)
綿100%です。
(実際には、少しおまけで63.5グラムくらいで作ってくれてます。)

くまさんのタオル待望の「花柄」を2種類、男の子に鉄板人気の「車」など、可愛い絵柄満載です。皆様に楽しんでいただけたら嬉しい限りです。

泉州タオル|くまさんのタオル

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くまさんのタオルでは、日本初のタオルメーカーである泉州タオルの販売をしております。ハンカチやフェイス、バスタオル、オリジナルキャラのプリントタオルなど、普段使いにおすすめのラインナップをご用意しております。抜群の吸水性と柔らかさで、皆様にずっと愛され続ける商品を安くお届けしたいという想いで当社を設立いたしました。

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