温泉タオルとは?なぜ薄い?生地・厚さ(匁)と使いやすさをタオル屋が解説
温泉タオル|泉州タオル・くまさんのタオル
温泉旅館や銭湯でよく見かける、薄手の「温泉タオル」。なぜ普通のフェイスタオルより薄いのでしょうか?実は、薄いことには浴用タオルならではの理由があります。この記事では、温泉タオルの生地や厚さ(匁)、吸水性、絞りやすさ、乾きやすさについて、タオル屋の立場から詳しく解説します。
温泉タオルとは、旅館や温泉施設などでよく使われる、入浴用の薄手のタオルのことです。
或は、現代のようにショッピングモールなど大型の形態がほとんど無く、商店街がまだまだ主流で、賑やかだった頃は、年始のご挨拶などで「◯◯商店」などと、タオルの端(平地部分)に印刷をして、宣伝の意味もあって配っていた、あの薄手のタオルです。
現代では厚手のタオルが「良いタオル」と思われがちですが、実際にお客様とお話ししていると、「結局、薄手のタオルが一番使いやすい」という声も少なくありません。
「以前はよく貰ったけれど、最近は貰う機会がなくなった」「欲しくても売っているところが少ない」という声もよく伺います。
なぜ温泉タオルは薄い?設計・目方と用途
旅館で部屋に付いている「温泉タオル」、経費を抑えるために薄い(軽い)のではありません。
入浴用に使いやすい物を、という心遣いなのです。
この温泉タオル、大体56グラム(180匁)で作るのがポピュラーです。
50〜54グラムというのもあります。
何れにせよ、浴用のタオルの目方は50グラム台で作ります。
度々、くまさんのタオルではタオルの目方について説明しておりますが、「目方」は「糸量」です。「糸量」と「吸水量」は比例して、糸量を増せば吸水量も増すという関係です。
目方量はタンクの大きさのような感じです。
一般的な温泉タオルは、56グラム(180匁)前後ほどの薄手に設計されることが多くあります。
大人が洗顔用に1回使うと丁度良い吸水量です。
台所の手拭きに使えば、すぐにビショビショになりますよね。
その理由は、目方が少ないので吸水量が少ないからです。
しかし、吸水量が少ないということは、タオルに含む水の量が少ないので、入浴時には少量の石鹸でも十分に泡立てることができます。
身体を洗った後、濯ぐのも絞るのもラク、ということです。
しかも、その石鹸量は身体を洗うのに十分な量なのです。
例えば、81グラム(260匁)は「薄すぎず、厚すぎず」という目方のタオルです。
石鹸が具合よく泡立つためには、そこそこ多めに塗らなければならなくなります。
身体を洗うためには不必要な石鹸量を使うことになります。
しかも、石鹸量が増えれば濯ぎの回数も増えます。吸水量が多くなると、絞るのも力が必要になります。
そんな風に、タオルは目方と用途が密接な関係(バランス)にあり、あまり知られていないのですが、結構科学されているのです。
ちなみに、入浴用タオルでスキンケアタオルというものがあります。
スキンケアタオルは、完全に浴用のために設計されています。
背中に回しやすいように長さ100センチ位で、目方は50グラム代にするのが殆どです。
更に、お肌に優しくするために素材や織りを工夫するので、「浴用」に特化したタオルと言えます。
このようにタオルは「目方(重さ)」によってベストな用途が決まっております。
私が、催事の現場で度々お客様にお伝えする話です。
温泉タオルの「匁(もんめ)」とは?厚さと吸水量の関係
「匁(もんめ)」は、タオル業界で重さ(目方)を表すときに使われる単位です。温泉タオルでよく使われる180匁は、1枚あたり約56グラムになります。
一般的にタオルは「厚い・薄い」という表現がなされますが、これこそが「目方」のことです。
タオルの「目方」は、使われている糸量と深く関係しており、目方が大きくなるほど使われる糸量も増えます。
糸量が増えるほどタオルには厚みやボリュームが出て、吸水できる量も増えていきます。
軽い(薄い)タオルは吸水量が少ないので、濯ぎも絞りもラクで、乾きも早くなります。
その反対に重い(厚い)タオルは、吸水量がたっぷりで、風合いも優れます。
このように、タオルは目方によって吸水量や絞りやすさ、乾きやすさが変わるため、用途に合った目方を選ぶことが大切です。
泉州タオルでは、一般的なフェイスタオルサイズ(34×83〜85cm)の場合、105グラム位が20番手(一般的な糸の太さ)で織った時の最重量になるケースが多く見られます。
58グラムの倍近い糸量な訳ですから、その分吸水量も倍くらい、ふわふわ感も増すということになります。
用途としても、顔拭き・手拭きとして使いたいと思うでしょう。
余談ですが、人の身体は100〜120グラムの糸量で拭き上げる事ができます。
勿論、身体の大きさや、髪の毛の量で個人差はありますが、そんな意味では、105グラムの厚手のフェイスタオルで湯揚げタオル替りにもなり得ます。
実際に販売をしていると、最近「バスタオルを使わない派」という方は珍しくありません。
温泉タオルの「平地(ひらじ)」とは?
あまり聞かない言葉だと思います。(私もタオル売りになるまで聞いた事がありませんでした。「端っこガーゼ」と、勝手に名付けていたほどですwww)
話を先に進めましょう。
「平地」とは、タオルの両端にある、パイル(ループ状の糸)がない平らに織られた部分のことです。温泉タオルでは、10センチほどの幅で設けられているものがよく見られます。
通常、端は3回折り返して、幅1センチ位で縫製されていますが、それは「ヘム」と呼ばれています。
因みに、サイドの折り返しは「ミミ」と言います。
「平地」は、特に軽い(薄手の)タオルでよく見られます。
①浴用では、顔まわりや耳など細かな部分を拭きやすい。
②頭に巻く際に結びやすい。
③両端を平地にすることで、その部分に使うパイル糸を中央部分に充当でき、軽いタオルでも中央部分のパイル量を確保しやすくなります。そのため、薄手でありながら風合いを持たせることができます。
※私の経験では、58グラムほどの軽いタオルを総パイル(平地なし)で作ると、パイルの目が粗く感じられることがあります。そのため、このくらいの目方では、平地を設けることにも意味があると考えています。
要約すると、薄手のタオルは乾きやすい反面、厚手のタオルほどのボリュームは出しにくくなります。そこで平地を設けることで、同じサイズ・目方でも中央部分のパイル量を確保し、薄手ならではの乾きやすさを保ちながら、風合いを持たせることができます。
平地の有無には好みもありますが、それぞれの特徴を知っておくと、用途に合ったタオルを選ぶ際の目安になります。
温泉タオルから生まれた「くまさんの温泉プリント」
こうした薄手の温泉タオルの使いやすさを生かして作ったのが、くまさんのタオルオリジナルの「温泉プリントタオル」です。
サイズ・・幅34センチ×長さ84センチ
目方・・設計56グラム(180匁)
素材・・・綿100%
仕様・・・平地付きパイル・フェイスタオル
くまさんの温泉プリントタオルは、上質な温泉タオル(白無地)に染・プリントを施しています。
「くまさんの温泉プリント」はなぜ生まれた?
私が催事販売を始めた当初は、主に泉州タオルのB品を販売していました。品質の高いタオルをお値打ちに提供できる一方、B品は仕入れ数が安定しません。催事が増えるにつれ、継続して販売できる商品が必要になりました。。
そこで改めて、自分自身が暮らしの中で「使いやすい」と感じているタオルは何だろう、と考えました。そこで目をつけたのが、旅館などで使われている薄手の「温泉タオル」でした。
ちょうど泉州のタオルメーカーが定番商品として作っていたことから、まず白無地の温泉タオルを催事で販売することにしました。
そして、白無地だけを販売しているうちに、お客様より「色物はないの?」「柄物はないの?」と、訊ねられることが増えて参りました。
しかし、プリントタオルは生産コストや最低ロットの問題もあり、当時の私には簡単に商品化できるものではありませんでした。
プリントタオルは、柄によって華やかさや楽しさを出せる一方、プリント方法やプリントする面積によっては、タオル本来の吸水性や風合いに影響することがあります。
顔料プリントでは、顔料を生地の表面に定着させて柄を表現します。そのため、プリントされた部分は無地のパイル部分と比べて、水の吸い込み方や風合いに違いが出ることがあります。特にプリント面積が大きくなるほど、タオル本来の吸水性とのバランスを考える必要があります。
そこで「くまさんのタオル」では、柄の楽しさだけでなく、タオルとしての吸水性や使いやすさも損なわないよう、プリントする面積と位置を考えることにしました。
温泉タオルの両端には「平地」があります。パイルのない平らな部分なので柄を表現しやすく、しかもタオルの中央部分に広くプリントする必要がありません。そこで、この平地をメインのプリント位置として利用することにしました。
こうして、吸水性とデザインの両方を考えた「温泉プリント」の基本設計が決まりました。
両端の平地にはメインの柄を配置し、左右を同じ柄のコピーにはせず、それぞれにつながりのあるデザインを入れました。さらに中央部分にもメイン柄に関連する小さな柄を配置し、頭に巻いたときには、その柄がちょうど額のあたりにくるよう設計しています。

「牛乳瓶」柄の温泉プリントタオル

「牛乳瓶」柄では、片側の平地に牛乳瓶、反対側には牛乳瓶のキャップを配置しています。さらに中央部分にも関連する柄を入れ、1枚のタオルの中でストーリーを感じられるデザインにしています。
使ってみた感想
実際にこの温泉タオルを使ってみると、56グラム(180匁)という薄手の設計ながら、想像していた以上に柔らかな風合いがありました。
身体を洗うときには濯ぎや絞りがしやすく、入浴後に身体を拭くときにも十分に使えます。薄手ならではの扱いやすさを実感しました。
では、実際に毎日使った場合、どのくらい使い続けられるのか試してみました。
毎日のお風呂で、石鹸をつけて身体を洗い、濯いで絞り、入浴後には同じタオルで身体を拭きました。その後もう一度タオルを濯いで絞り、浴室内に干す、という使い方を繰り返しました。
結果、3ヶ月を過ぎる頃に風合いの衰えを感じ、6ヶ月で雑巾に下ろしました。
約180日使用できたことから、50グラム台の薄手タオルとしては、十分な耐久性を感じました。
最後に
温泉タオルは、薄いから簡素なタオルなのではありません。濯ぎやすく、絞りやすく、乾きやすい。入浴時に使いやすいよう、目方や平地などにも理由があります。
昔は旅館や商店の名入れタオルなどで身近にあった温泉タオルですが、今では「欲しくてもなかなか売っていない」という声をお客様から伺うこともあります。
私は「温泉タオルは日本人の心」だと感じています。これからも、昔ながらの使いやすさを大切にしながら、くまさんのタオルらしい商品としてお届けしていきたいと思います。
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現在販売中の柄は、くまさんのタオル通販サイト「STORES」からご購入いただけます。
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泉州タオル|くまさんのタオル
くまさんのタオルでは、日本初のタオルメーカーである泉州タオルの販売をしております。ハンカチやフェイス、バスタオル、オリジナルキャラのプリントタオルなど、普段使いにおすすめのラインナップをご用意しております。抜群の吸水性と柔らかさで、皆様にずっと愛され続ける商品を安くお届けしたいという想いで当社を設立いたしました。
| 屋号 | くまさんのタオル合同会社 |
|---|---|
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